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10.薬を考える

薬害問題など

医薬品の安定供給について

最新〈業界の常識〉よくわかる医薬品業界 (最新 業界の常識)

本書、第1章「6つのカテゴリーでおぼえる医薬品業界の概要」では、
一般的な商品とは違う医薬品の特性」と題して、
医薬品の安定供給について記述しています。

医薬品の特性には、5つあります。
(→「一般的な商品とは違う医薬品の特性」)

万が一、製薬企業や医薬品卸、医療施設が安定的に供給できなければ、
患者のQOLを低下させるだけではなく、病状の悪化を招く危険性があります。
そのため、災害時などの緊急時でも安定的に供給できなければならない特性を持っています。

2011年3月11日(金)に発生した、東北地方太平洋沖地震で、
医薬品業界のすべての職種において協力し、安定供給に努めた記録を残します。

<薬事日報>

2011年3月14日 (月)
【東日本大震災】製薬各社の工場も損傷‐従業員被害はほとんどなし

2011年3月15日 (火)
【東日本大震災/厚労省】薬局調剤に処方せん不要‐製薬・卸へ物資供給要請
【東日本大震災/主要医薬品卸】医薬品供給に全力‐社会的責任果たすべく努力
【東日本大震災】各製薬団体が医薬品の安定供給で要請・声明

2011年3月16日 (水)
【東日本大震災】医薬品卸の被害状況(続報)‐流通確保で復旧に全力

2011年3月17日 (木)
【東日本大震災】医療関連団体なども各種支援開始
【製薬協】医薬品供給へ体制準備‐物流確保が課題

2011年3月18日 (金)
【東日本大震災】あすか製薬いわき工場被災でチラーヂンの製造停止‐緊急輸入など代替措置急ぐ
【東日本大震災】深刻化する医薬品不足‐宮城県の現状を避難所部隊薬剤師が報告

2011年3月22日 (火)
【東日本大震災】医薬品運搬車を給油制限から除外

2011年3月23日 (水)
【東日本大震災】被災地に向け医療用薬輸送‐製薬協

2011年3月24日 (木)
【東日本大震災】医薬品等の救援物資搬送で、厚労省・水産庁・薬業団体が結束」

想定外の災害においても、競合企業であろうとも社会的使命で連携しあい、
医療のため、患者のために、医薬品の安定供給に尽力しました。

これらのことからも医薬品業界は、社会貢献度の高い業界であると言えますし、
働きがいにつながるのではないでしょうか。(→「医薬品業界の魅力」)

一方で、問題点も見えてきました。

◆医薬品製造拠点(工場など)の分散化
◆リスク分散のためのジェネリック医薬品の複数化
◆電力供給停止に対する複数のバックアップ発電など

今後、検討され解決される課題だと思われます。

「イレッサ」で考える薬害問題

抗悪性腫瘍剤「イレッサ」による、副作用被害訴訟が各社で報道されました。

<産経ニュース> 2011年1月7日(金)
【薬害イレッサ訴訟】「被告側に救済責任」2地裁が和解勧告

<毎日新聞> 2011年1月8日(土)
イレッサ副作用死:投薬訴訟 「国の責任」 東京・大阪地裁、和解を勧告

「イレッサ」は、2002年に発売された当時、画期的な夢の新薬として承認され、
製薬企業のプロモーションもあり、多くの患者を救うべく処方されました。

今回のように製造販売を承認した国と、販売した製薬企業側に責任があるとなると、
過去の薬害問題を考えさせられます。

「薬害」-ウィキペディア

インターネットもない時代であれば、医薬品の情報を知る手段としては、
医薬品を販売する製薬企業の情報が主な情報ソースでした。

しかし、現代では医薬品の安全性に関する情報は、
ネットで検索すれば多くヒットする時代です。

例えば現在、国や自治体の公費助成により、
無料接種が可能となっている 「 子宮頸がんワクチン 」 がありますが、
先日次のような報道がありました。

<読売新聞> 2010年12月28日(火)
子宮頸がんワクチンで副作用、失神多発(リンク切れ)

子宮頸がんワクチンの安全性を調べてみると、
多くヒットする中、次のようなサイトが見つかりました。

「子宮頸がんワクチンの危険性」
http://www.thinker-japan.com/hpv_vaccine.html

ここではむしろ、子宮頸がん発生リスクを増加させたり、
免疫賦活剤(アジュバント)が自己免疫疾患を誘発させたり、
不妊症を引き起こす可能性もあるなど危険性が触れられていました。

このように考えると、医薬品を選ぶ立場の医師や薬剤師は、
医薬品の情報を公平・中立に判断し、
「 疑わしきは推奨せず 」 という志を持つことが、
薬害の拡大を防ぐ一つの役割ではないかと考えられます。

新たな薬害の発生につながらないことを願っています。