カテゴリー

無料ブログはココログ

08,医薬品業界が変わる

欧米との比較、制度の変化

変化する医薬品業界

最新〈業界の常識〉よくわかる医薬品業界 (最新 業界の常識)

『いまさら聞けない医薬品業界』
(1)薬剤師を取り巻く環境
2.変化する医薬品業界

■変化する医薬品業界

私たち薬剤師を取り囲む環境は、この10年でだいぶ様変わりしたと感じています。身近なところでは、薬学教育の6年制が導入され一期生が卒業してきましたし、ジェネリック医薬品も一般的になっています。前項では、医薬品業界の再定義を行い、「学ぶ(教える)」「創る」「売る」「運ぶ」「選ぶ」「払う」の6つのカテゴリーに分けました。今回は、それぞれの過去から現在の変化をコンパクトにまとめてみましょう。

■医薬品について学ぶ(教える)

ご存知のように、薬学教育が4年制から6年制になり、薬剤師の国家試験受験資格を得るにも2年間多く必要とされました。また、基礎教育に加え実務実習では、病院実習と薬局実習が必須になり、過去に比べ卒後の実務を学ぶことに近づいたと言えます。今後は、6年制の卒業生が社会に出て、その真価を問われることでしょう。

■医薬品を創る

「2010年問題」と呼ばれる問題がありました。製薬企業において、2010年ごろにブロックバスターといわれ年間1千億円以上も売上のあった医薬品の特許が満了になり、次々にジェネリック医薬品の販売が始まりました。売上げの減少につながるばかりか、研究開発費の減少にもつながりますので、このブロックバスターに続く製品の創薬や開発が困難な状況あります。

■医薬品を売る

今まで、製薬企業には先発メーカーとジェネリックメーカー、外資系と内資系など現在に比べて明確になっていましたが、グローバル化や製薬企業の戦略の変化もあり、先発メーカーであってもジェネリックを販売していますし、内資系であった企業が外資系に吸収合併され資本が変化している企業もあります。また、医療そのものが入院から外来、さらには在宅へ移行する中、病院市場中心の販売戦略の変更を余儀なくされ、薬局市場へ注力が活発化しています。

つづきは、ココヤクへ。

『いまさら聞けない医薬品業界』
(1)薬剤師を取り巻く環境
2.変化する医薬品業界

ジェネリック医薬品の現状~「日本ジェネリック医薬品学会第5回学術大会」より

最新〈業界の常識〉よくわかる医薬品業界 (最新 業界の常識)

【更新情報】

本書、第8章「まだまだ変化するこれからの医薬品業界」では、
「目標よりもジェネリック医薬品が普及していない理由」と題して、
ジェネリック医薬品の現状について記述しています。

平成23年6月18日(土)~19日(日)に開催された、
「日本ジェネリック医薬品学会 第5回学術大会」を聴講してきました。

欧米に比べ普及が遅れていると言われる「ジェネリック医薬品」ですが、
次の3つのポイントで普及が進まないと指摘されていました。

1.医療機関では、医師が品質に対して不信感を持っている

2.保険薬局では、在庫負担が大きい

3.患者さんは、そもそも医師や薬剤師が勧めないから選択しない

このことに加えて、医薬品卸の課題として、ジェネリック医薬品は、
商品単価が安く、売上金額に占める比率が7~8%にも関わらず、
商品点数に占める比率は25~30%と経営効率の悪さが指摘されていました。

厚生労働省は、増え続ける医療費の削減手段として、
ジェネリック医薬品の普及を推進している中で、厳しい指摘をする識者の先生も見られました。

病院経営上、出来高の部分は先発医薬品、
DPCの部分はジェネリック医薬品と使い分けている施設もあります。

これは、療養担当規則という法律では
ジェネリック医薬品を選択することが努力義務になっているにも関わらず、
選択されないのは法律違反で、
かつ患者さんからの医療費の搾取だという指摘です。

まだまだ、ジェネリック医薬品は目標とする30%に届いていない状況です。
今後もハードとソフトの両面から、普及策が検討されると思われます。

医薬品業界の規制緩和

最新〈業界の常識〉よくわかる医薬品業界 (最新 業界の常識)

【更新情報】

本書、第7章「医薬品へ対価を支払う仕組み」の章末コラムでは、
医薬品業界の規制緩和について記述しています。

医薬品業界のみならず、日本と米国の間には、
健全な貿易・経済政策のために、構造改革及び規制改革、
開かれた市場の構築といったたくさんの課題が存在しています。
そのため、「成長のための日米経済パートナーシップ」を設置し
対話を行なってきた経緯があります。

外務省より、
『「日米経済調和対話」事務レベル会合の開催について』が更新されました。

<外務省HP>
「日米経済調和対話」事務レベル会合の開催について(平成23年3月4日)

日米経済調和対話は、
「日本側関心事項」と「米国側関心事項」に分けて公表されています。

日本側関心事項(PDF)

米国側関心事項

特に米国側関心事項には、
広範な領域にわたり規制改革への課題が列記されています。

こちらでは、医薬品業界に関することのみ、以下に引用します。

---引用始---

日米経済調和対話

2011年2月

(仮訳)

米国政府はこの新たな日米経済調和対話を通じ、新たな機会を創出し、新規事業や貿易を促進し、公共の福祉を増大させる措置を講じることによって、両国の経済成長を支援する機会を歓迎する。米国政府は、実行可能な範囲において、両国のシステム、規制アプローチ、その他の措置や政策の調和に向け、この共通の目標を推進する形で日本と緊密に協働することを期待する。

日本との協力関係の強化は、この対話において米国が特に重視する領域である。情報通信技術、知的財産権、農業関連措置やワクチンといった領域における両国の協力はすでに良好な成果をもたらしている。この対話の下、米国は共通の目標の達成に向け、当該領域ならびにおそらくはその他の領域においても、引き続き日本とのさらなる調和と連携を促進する。

米国側関心事項

(中略)

医薬品・医療機器

医薬品・その他

新薬創出・適応外薬解消等促進加算(新薬創出加算):新薬創出加算を恒久化し、加算率の上限を廃止することにより、ドラッグ・ラグ解消を促進し、研究開発への誘因を強化する。

市場拡大再算定:市場拡大再算定ルールが企業の最も成功した製品の価値を損なわないように同ルールを廃止もしくは少なくとも改正し、日本における当該製品の開発を奨励する。

外国平均価格調整(FPA)ルール:日本における価格が外国平均価格より高いか低いかにかかわらず、製品が平等に扱われるようFPAルールを改定し、日本の薬価政策の公正な実施を保証する。

14日の処方日数制限:患者の利益ならびに医薬品へのアクセスを考慮し、新薬の14日処方日数制限ルールを改正し、安全性の保障に必要な最低限の制限にする。

ドラッグ・ラグ:日本における革新的新薬の早期導入を促進し、ドラッグ・ラグを縮小するよう次の措置を取る。適切な場合には東アジア諸国における臨床治験データの受け入れを検討する。医薬品の承認審査目標が達成され、事前相談の申し入れへの対処が迅速に行われるよう保障する。最近の業界との積極的な交流を基に、医薬品医療機器総合機構(PMDA)ならびにスポンサーが、質疑応答プロセスの支援に必要な実務要員をより効率的に計画・管理するために役立つ明確なプロセスを構築する。

行政審査期間:年4度の薬価収載を月一度へ増やし、日本の患者の新薬へのアクセスを迅速化する。

手数料:2012年から2017年までの手数料の規模および評価指標などを含む、次期手数料制度の詳細について業界との協議を開始し、日本の薬事承認プロセスにおける効率性の向上に対する業界の継続的な貢献を奨励する。

血液製剤:国内自給、表示、規制、保険償還の問題についての米国業界との協議を通じ、日本における患者の血液製剤へのアクセスを拡大する。関連する委員会等において、業界が情報、意見および証言を提供する機会を設ける。

ワクチン

ワクチンに対するアクセス:日本全国におけるワクチンの供給を促進する長期的解決策を見つけて、2010年に採用されたHIB、肺炎球菌、HPVワクチンについての措置を拡充する。

透明性:推奨ワクチン特定のための明確な基準およびスケジュールを設け、新ワクチンの日本の患者への導入を迅速化する。

ワクチンに関する意見交換:二国間の協力および意見交換を通じ、国のワクチン計画の策定に対する日本政府の取り組みを促す。

医療機器

外国平均価格調整(FAP)ルール:FAPを廃止、もしくはそれが不可能な場合はFAP算定時のルールと手法の不変性を確保し、日本において時宜にかなった医療機器の導入および安定供給を促進する。

体外診断薬(IVD)に関する保険償還:臨床的価値に基づきIVDの保険償還を評価し、日本の医療制度の効率性を向上させる高度で改良されたIVD製品の価値を評価する。

大型医療機器に対するC2 保険適用プロセス:革新的な大型医療機器に関し、1) どの製品がC2の指定に適格かの判断、また2) C2製品の適切な価格の決定に際しての明確な基準およびガイドラインの作成に向け、業界との対話を行い、このような医療機器の日本への導入を促進する。

デバイス・ラグおよびギャップの解消:医療機器の審査迅速化アクション・プログラムの時宜にかなった実施を保証し、革新的な医療技術の日本への導入を迅速化する。

企業に対する薬事規制負担の軽減:企業にとって薬事規制上の負担を増加させる原因となっている品質管理システムおよび外国製造業者認定に関する要件の修正に向け利害関係者と協議し、日本市場へ革新的技術を提供する企業が置かれた状況を改善する。

化粧品

医薬部外品:日本の消費者が医薬部外品製品により迅速に、不要なコストを課されることなくアクセスできるように、医薬部外品承認ガイドラインの導入およびその他の施策を実施する。

広告・表示:日本の消費者がより詳細な情報を得た上で判断ができるよう、化粧品の効能表示の範囲を拡充する。

化粧品・医薬部外品の輸入:化粧品・医薬部外品の輸入が改善かつ効率化されるよう輸入プロセスを簡素化・合理化する。

その他透明性・規制問題:化粧品・医薬部外品の広告に関する規則制度の透明性を高め、米国を含む業界関係者の全国医薬品等広告監視協議会(六者協)への参加を認める。

栄養補助食品

規制分類と表示:保健機能食品制度を向上させる方法、原料に特化した健康強調表示を許可するシステムの提案など、日本の健康食品制度について業界が情報や意見を提供できる機会を増やす。

健康食品安全規制:栄養補助食品に使用される新しい原料が医薬原料、食品原料、もしくは食品添加物として分類されるプロセスならびに基準を明確にすることにより、円滑な貿易を促進し、さらに他の先進諸国のベストプラクティスと比較して輸入手続きを向上させる方法を検討する。

食品添加物:他の先進諸国で一般的に認可されている、栄養補助食品に使用できる添加物、溶媒および化学形態の栄養素のリストを拡大する。

---引用終---

以下、原文(英語)です。
【アメリカ合衆国通商代表部(USTR)】
U.S.-Japan Economic Harmonization Initiative
U.S.-Japan Economic Harmonization Initiative: 2011 U.S. Agenda Topics

「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」について

最新〈業界の常識〉よくわかる医薬品業界 (最新 業界の常識)

【更新情報】

本書、第8章「まだまだ変化するこれからの医薬品業界」では、
「新薬の開発費を円滑に回収するための薬価維持特例」と題して、
日本における、薬価基準制度の新しい算定方式をわかりやすく紹介しています。

本書の執筆時においては、「薬価維持特例」と呼ばれておりましたが、
正式に「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」となりました。

加算の条件は、次のとおりです。
 ①薬価収載後15 年以内で、かつ後発品が収載されていないこと。
 ②市場実勢価格と薬価との乖離が、薬価収載されている全医薬品の平均を超えないこと。
 ③再算定対象品でないこと。

一般的には、「新薬創出加算」と呼ばれ、
製薬企業にとっては新薬の研究開発費の源になります。

※参考記事
<薬事日報> 2010年3月5日(金)
【厚労省】改定薬価を告示‐624品目に新薬創出加算

<薬事日報> 2010年3月8日(月)
新薬創出加算は89社‐外資系企業が上位占める

医療情報データベースの活用が進んでいる

最新〈業界の常識〉よくわかる医薬品業界 (最新 業界の常識)

【更新情報】

本書『よくわかる医薬品業界』、
第4章「医薬品を売る製薬企業やドラッグストア」と、
第8章「まだまだ変化するこれからの医薬品業界」では、
現在、活用が進む「医療情報データベース(DB)」を紹介しています。

日本においても、医薬品の売り上げデータは、
製薬企業を中心とした医薬品販売のマーケティングデータとして活用されていました。
海外では、「レセプト」や「処方せん」の医療情報DBの活用が進んでいます。

<CNET Japan> 2010/03/04(木)
『グーグル、「Google Health」の提携拡大を発表』

---引用始---
Google Healthは、健康状態や医療問題の情報収集や医者や医療専門家の検索、他の健康に関連したウェブサイトの発見などが行える、オンライン医療ポータルの提供を目的としたGoogleの取り組みである。また、診察の結果や薬の名称、保険に関する情報や電子的な医療記録などを、自分のPCやサードパーティーパートナーから追加して、健康プロフィールを編集保存できるようになっている。
---引用終---

診断・検査・治療などの医療情報DBを分析活用することによって、
患者や住民に適切な受療行動をうながし、
QOLの向上につながることが可能になるのです。

また、医薬品の副作用発現率解析などが可能になり、
「予防・予測型」の安全対策の質の向上や、
リアルタイムの情報提供も期待されています。

※「Google Health」について
<CNET Japan> 2008/02/29(金)
『グーグル、「Google Health」を発表--個人健康記録を集約』

他業界から医薬品業界へ参入

最新〈業界の常識〉よくわかる医薬品業界 (最新 業界の常識)

【更新情報】

本書『よくわかる医薬品業界』、第8章「変化する業界の枠組み」への更新情報です。

<薬事日報> 2010年2月10日(水)
【富士フイルム】後発品事業に参入‐三菱商事、東邦HDと合弁会社設立

本章では、医薬品業界内における枠組みの変化について記載されておりますが、
このニュースは、他業界からの医薬品業界への参入という新しい枠組みの変化です。

特にジェネリック医薬品は、医療費の財政問題からも、
普及拡大は中心的な政策の一つですから、魅力的な入り口であると考えられます。

まだまだ変化するこれからの医薬品業界

最新〈業界の常識〉よくわかる医薬品業界 (最新 業界の常識)

本書、第8章「まだまだ変化するこれからの医薬品業界」では、
現在進行形の医薬品業界の環境変化を取り上げています。

また、各章の後半には、日本と海外の事例比較を行っております。

第2章 「薬剤師の4つの働きかたと薬科系大学」
 ◆理想と現実のギャップを生まない米国の医薬品を学ぶ環境

第3章 「製薬企業やバイオベンチャーで薬を創る仕組み」
 ◆研究助成金の比較

第4章 「医薬品を売る製薬企業やドラッグストア」
 ◆患者の自己管理のサポートセンターともなっている米国のドラッグストア

第5章 「他業種よりも幅広い医薬品卸の役割」
 ◆合理化が進んでいる米国の医薬品卸

第6章 「薬を選択する医師と薬剤師」
 ◆フォーミュラリーによってジェネリックが基本となる
 ◆薬剤費削減とコストエフェクティブな医療
 ◆分割調剤と利便性の高い薬局の仕組み

第7章 「医薬品へ対価を支払う仕組み」
 ◆世界の中での日本の位置づけ(OECD比較)
 ◆日本とは違い、民間の医療保険が基本となる

海外の事例と比較することによって、今後の変化の先が見えてくるかもしれません。

医薬品業界を取り巻く変化

最新〈業界の常識〉よくわかる医薬品業界 (最新 業界の常識)

本書では、最近、新聞やニュース・メディアでも話題になることの多い、次の変化を取り上げました。

 ◆製薬企業2010年問題

 ◆将来の製薬企業像

 ◆ゲノム創薬

 ◆ジェネリック医薬品

 ◆薬価制度改革

 ◆医薬品流通改善

 ◆登録販売者による「OTC医薬品」の販売

 ◆薬学教育6年制

 ◆薬剤師需給問題

 ◆電子レセプトオンライン化

今、起こっている医薬品業界の変化の中でも、大きな流れだけを取り扱いました。

医薬品ジャンルを初めて担当した編集者からも、新聞などで書かれている記事が、
良くわかるようになったという評価もいただきました。

就職活動されている学生向けの業界本でありながら、
医薬品業界の仕組みから、今の変化まで読める内容で役に立っているようです。